
「寒冷地で屋外カメラが動かなくなった」「冬場の制御盤内で、原因不明の誤動作が起きた」
低温環境下で電子機器を運用する際、このようなトラブルに直面したことはありませんか?
実は、低温環境での機器トラブルでは、「寒さ」そのものに加え、寒暖差によって発生する「結露」が原因となることも多いです。
見えないところで発生する結露は、電子基板を蝕み、製品の寿命を著しく縮めます。 本記事では、低温環境での電子機器トラブルを防ぐための、ヒーターを使った確実な結露対策術を解説します。
なぜ低温環境で電子機器に「結露」が発生するのか?
結露は、「空気中に含まれる水分が、冷たい物体に触れて水滴になる現象」です。
空気は、温度が高いほど多くの水分(水蒸気)を含むことができます。しかし、温度が下がると、含むことができる水分の量が減ります。結露が始まる温度を露天温度といい、表面温度が周囲の空気の露天温度以下になると、結露となります。
機器内部にある温かい空気が、外気で冷やされたケースや基板に触れると、抱えきれなくなった水分が水滴として現れます。これが機械に悪影響を与える結露です。
結露が電子機器に与える深刻なダメージ
結露によって発生した水滴は、電子機器にとって天敵といえます。
- 錆・腐食: 基板上の配線や端子が錆び、断線や接触不良を引き起こします。
- ショート・トラッキング現象: 水滴が回路を短絡させ、電子部品を破損させたり、最悪の場合は発火に繋がったりします。
- 動作不良・誤作動: 絶縁性が低下し、信号にノイズが乗るなど、不安定な動作の原因になります。
最も確実な結露対策は「ヒーターによる加熱」
防湿剤や密閉、換気など、結露対策には様々な方法がありますが、低温環境においては、「ヒーターで機器内部を温めること」が最も確実で効果的といえます。
その理由は、非常にシンプルで、*「ヒーターで対象物(ケースや基板)を露点温度以上に保てば、絶対に結露は発生しない」からです。
しかし、ただ温めればいいというわけではありません。
結露対策用ヒーターに求められる「3つの条件」
低温環境、特に「機器が停止している間」や「電源が入った直後」に対策をする場合、ヒーターには一般的な加熱とは異なる性能が求められます。
- 安全性・オーバーヒート防止:機器内部は限られたスペースです。温めすぎて電子部品を熱で壊しては本末転倒です。また、可燃性ガスがある環境では防爆対策も必要です。
- 確実性・省エネ性:結露する温度(露点温度)まで素早く温めつつ、必要以上に温度を上げず、電気代を無駄にしない制御が必要です。
- メンテナンスフリー:屋外や、頻繁に点検できない場所(高所や天井裏のカメラなど)では、ヒーター自体の寿命が長く、故障しないことが重要です。
結露対策に「PTCヒーター」をおすすめする理由
弊社では結露対策に向くヒーターとして、PTCヒーターをお勧めしています。PTCヒーターの特性は、まさに結露対策のためにあると言っても過言ではありません。
- サーモスタット不要で「安全」: PTCヒーターは「自己温度制御機能」を持っており、自分自身の温度が上がると、自然に電流を抑えて一定温度(例えば60℃などに設定可能)を保ちます。温度が上がりすぎる心配がなく、外付けの安全装置を省略できるため、制御盤内がシンプルになり、故障リスクも下がります。
- 低温時ほど「高出力」で「省エネ」: 冷え切った状態(結露リスク最大)では最大の力で温め、露点温度を超えて温度が上がってくると、出力を自動で絞ります。必要な時だけ、必要な分だけエネルギーを使うため、非常に省エネです。
- 空焼き(空焚き)OKで「タフ」: ニクロム線ヒーターなどと違い、周囲に温めるものがなくても焼き切れることがありません。機器が停止している間も常にオンにしておく結露対策に、これほど適したヒーターはありません。
【まとめ】低温環境の電子機器は「PTCヒーター」でスマートに守ろう
低温環境での電子機器トラブルは、結露という見えない敵との戦いです。 その対策に、複雑な温度制御や安全対策が不要なPTCヒーターは、最も賢い選択肢です。
結露対策が必要な機器としては、
- 屋外監視カメラのレンズ曇り止め
- 制御盤・配電盤の防湿
- 冷凍倉庫用機器の加温
等が挙げられます。
これらの課題でお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
試作段階からの最適なPTCヒーターの形状や出力の選定をサポートいたします。

